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2013年2月 2日 (土)

それから

前半はのんびりした展開である。世の中斜めに見ている青年が、仕事もしないで親の援助をたよりに、何、不自由なく暮らしている様が描かれている。

代助が、真剣に自分の人生を考えたのは親から結婚を迫られた時である。それから逃げずに代助は取り組んだ。その結果は親からの援助はなくなり、兄からも見捨てられた。自分自身の手で金を稼ぎ、人生を開拓しなくてはならなくなった。

それまでに代助の生き方からすれば、資産家の奥さんを貰って何不自由のない人生を送る方法もあったと思う。俗物からすればなんでそんな苦労をするのかと思う。小説に中に絶壁に挑戦するクライマーの話が出てくる。命を落とす人も多い。しかしそれに挑戦するのはそれを克服したひとでないと味わえない達成感があるためと思う。

代助が、三千代のために人生を掛けたのも、それをしないと彼の人生が成り立たないたえであったろう。人生には立ち止まって考えざるを得ない時が何度かある。その時ごまかさないで自分の人生を決められたら素晴らしい。たとえそのために煉獄の苦しみを味わうことになっても。

夏目漱石

青空文庫

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