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2013年2月 2日 (土)

変身

自分が朝おきたら虫になっていたら家族、周りの人たちはどんな反応をするだろう。虫は極端でも、自分の地位が低くなっていたら、あるいは高くなっていたら。

これはそんなことを考えさせられる。朝起きたら虫になっていたグレゴールは、勤務先の銀行はもちろん家族からも、爪弾きにされる。グレゴールが、給料を運んでいたうちは大切にしてくれた家族は、最初は驚き、悲しみにくれるが次第に無視するようになる。そして虫になった彼が死んだあと、それまでのことを忘れるように他の町へ引越しをする。何もなかったように。

しかしこれが一般的な人々がすることだろう。だから、動けなくなった家族をいたわり最後まで面倒をみた話を見聞すると感動してしまう。

カフカ

青空文庫

それから

前半はのんびりした展開である。世の中斜めに見ている青年が、仕事もしないで親の援助をたよりに、何、不自由なく暮らしている様が描かれている。

代助が、真剣に自分の人生を考えたのは親から結婚を迫られた時である。それから逃げずに代助は取り組んだ。その結果は親からの援助はなくなり、兄からも見捨てられた。自分自身の手で金を稼ぎ、人生を開拓しなくてはならなくなった。

それまでに代助の生き方からすれば、資産家の奥さんを貰って何不自由のない人生を送る方法もあったと思う。俗物からすればなんでそんな苦労をするのかと思う。小説に中に絶壁に挑戦するクライマーの話が出てくる。命を落とす人も多い。しかしそれに挑戦するのはそれを克服したひとでないと味わえない達成感があるためと思う。

代助が、三千代のために人生を掛けたのも、それをしないと彼の人生が成り立たないたえであったろう。人生には立ち止まって考えざるを得ない時が何度かある。その時ごまかさないで自分の人生を決められたら素晴らしい。たとえそのために煉獄の苦しみを味わうことになっても。

夏目漱石

青空文庫

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