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2012年4月22日 (日)

林住期

この4月で定年退職する、友人がいい本だからと勧めてくれました。定年延長制度を使わなかった理由を友人はこの本を読んだからと説明していました。古代インドでは人生を4つの時期、学生期、家住期、林住期、遊行期に分けており、タイトルになっている林住期は学生期、家住期を経て社会的な務めを終えた人、年齢的には50歳以降を指す。これまでのしがらみをすべて断ち切り、自分のためだけに人生を使える、いや使うことが許される時期という。

退職する友人は、この本がえらく気に入ったと見え、目からうろこが落ちる思いだったという。だれも、人生を豊かに、そして楽しく過ごしたいと思う。そして意味のある人生だったと思いたい。では、意味のある人生とはなんだろうと思う。家を建て家族を興し、会社のため、社会のために働くこと。これは家住期の役割であり、人生をそれで終えていいのか。

自分の興味の赴くままに生き、自分のためにだけわがままに人生を使うことは許される時期、それが林住期であるという。そのためには準備期間が必要で50歳から、その準備をしておくべきだとこの本は説く。

この本の前半部分は、友人に何回か解説してもらったので、新しさはなかったが、後半部分の五木の人生観「意のままにならない」ところは面白かった。自分自身も努力すれば報われると教えられてきたが、かならずしもそうではないのが人生である。たいした努力もしないで成功をえる人もいるし、一所懸命やっても社会的に報われない人もいる。五木の父親は人生に努力を惜しまなかった人だった。しかし思い通りには出世できなかった。しかし「意のままにならない」人生をそのまま受け入た五木は大作家になった。世間はその人がどんな考えで人生を送っているのかを鋭く見ていて、欲のある人を排除するのかもしれない。

五木寛之

幻冬舎

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