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2010年1月 3日 (日)

放浪の天才数学者エルディシュ

これまで、読んだ数学の啓蒙書のなかで何度となくエルディシュが登場してきた。どんな数学者であったろうと思いこの本を手にしました。予想にたがわぬ天才で精力的で変人でした。しかしとても愛すべき人物という印象を持ちました。とてもオープンで共同執筆の論文がとても多い。論文数は1000を超えオイラーに次ぐ。またその質は大変高く重要なものばかりだという。この本の中でエルディシュがフェルマーの最終定理を証明したワイルズがその研究経過を7年間発表しなかったことに腹を立てたとうエピソードがある。エルディシュが言うように共同で仕事を進めればもっと早く解決できたかもしれない、ワイルズの証明を理解できた数学者は1%に満たないことやワイルズの性格を考えればいたしかたないことのように思える。数学界にとどまらずエルディシュのように博愛に満ちた人は少ない。しかしそうした奇特な人がいるから、世の中は成り立っているものと思う。

オイラーはフェルマーの最終定理でN=3を証明したがそれ以外は失敗した。ガウスはフェルマーの最終定理に興味を示さなかったという。しかし完全主義者のガウスは研究していることを発表をしなかっただけかもしれない。数学の完全性は数学の定理だけでは証明できないというゲーデルの理論は面白い。また超越数は無限にあるがeとπが超越数であることを証明するのに数百年を要しているとうのも興味深い。

数学者の頭の構造はやはり普通の人とは違う。エルディシュは3歳で3桁の暗算ができ4歳で負の数を発見したという。オイラーにしろガウスにしろその計算能力は全く桁はずれで、だからこそ数学者になりえた。この本では他にカントールやリーマンなど常連も顔をだしており数学の教養書となっている。エルディシュ自身の亡くなりかたも講演中に倒れ息を引き取るという数学をするために生まれてきたような生き方でした。

ポール・ホフマン

平石律子訳

草思社

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