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2007年9月 6日 (木)

不思議な数eの物語

この本は微積分の本には必ず登場するeに関する物語です。著者のE.オマールはこの本の冒頭で数学を教える際の彼のやり方を紹介している。オマールは数学そのものとそれが完成された背景を教えることにより学生が数学を金科玉条の如く扱い結果として面白くないものとしないように工夫しているということである。数学の定理をそのまま飲み込めるひとなら定理だけの授業について行けるであろうが、そうでない学生にはその背景も説明できる先生がいてくれたら幾分数学が理解できるのではないかと思う。この本は対数、微積分に不可欠なeをめぐる数学史を物語として読みやすいものにしている。

数学上最も重要な数である、0,1、π、e,iをまとめたeπi+1=0はオイラーより前にイギリスの数学者コッツが到達していた。オイラーは50桁の暗算を出来た。f(x)=1/x の導関数であるlnxの発見、ニュートン、ライプニッツが発見しした微積分の先陣争い、ベルヌーイ一家の確執などこれまで知らなかったことの多くを知ることが出来た。

オイラーの死後200年以上経っているが彼の全集はいまだに完成されていないという。このことは高校の時の教科書に書いてあったと思うが、その後も全集作成の努力は継続されているのであろうから天才の仕事が後世に及ぼす影響は大きい。

ニュートン、ライプニッツが微積分を発明するはるか前にアルキメデスは取り付くし方法で円の面積や錐体の体積を求めることができた。フェルマーはXのn乗の積分を求めることが出来た。しかし微積分が発明されて始めて一般化された方法で面積体積をもとめることが可能となった。確かに微積分の公式を使用すればアルキメデスやファルマーの発想が無くとも面積、体積を知ることが出来る。

ニュートン、ライプニッツも最初はかなり危うい方法で微積分を発明した。それを確固としたものにするには1世紀を要したということは新たな概念を創造し完成させるには多くの人の努力と時間が必要であることを示している。そして現在では大学の教養課程でそれらを学べる。また複素関数の発明によりSINとSINHの相互関係がより一般的に解釈されるようになったことなど現代数学への歴史を垣間見ることが出来たと思う。

不思議な数eの物語 Book 不思議な数eの物語

著者:伊理 由美,E.マオール
販売元:岩波書店
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