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2007年7月 8日 (日)

「無限」に魅られた天才数学者たち

高校の数学の授業で先生が今度中学や小学校でも「集合」について学ぶことになりましたという話をされたことを覚えています。数学はものを数えたり、面積を求めたりする学問であると思っていた私は、要素がどこに含まれるか、要素の関係は何かといった集合論は論理的な感じがして数学世界の大きさに驚いた覚えがあります。

さてこの本のテーマは「無限」ですが、無限の種類も無限にあるというのは驚きです。

たしかに最も身近な存在である自然数の数は無限にあることはなんとなく分かります。今考えた数に1を加えれば更に大きな数があらわれましたから。小数はどうか。これも無限にあるでしょうが、いわゆる有理数について言えば整数と同じ数だけある。(これはこの本のなかでカントールが考えた見事な証明が載っている)しかし無理数は超越数で整数と1対1の対応取れないから有理数の無限より1段高い高次な無限というらしい。さらに数直線上で1と2の間にある点の数と1と3の間にある点の数は同じという信じられない結論が出てくる。なるほどデカルト座標系でx軸の1とy軸の1、x軸の2とy軸の3を対応させれば各点は完全に対応付けがされる。しかし2.5は1と2の間には無い。これ1つをとっても無限はこれまでの延長上にはないことは分かる。

さらにこの無限に魅入られ無限の序数を発見したいと考えたカントールが、孤独な戦いの中、精神を蝕まれたのは無理ないことかもしれない。カントールを引き継いだゲーデルはカントールが証明しようとしたものは現在の数学体系では証明できないことを明らかにしたが同様に精神を病んだ。

この本の著者であるアクゼルはカントールの精神はとても強かったといている。確かに強くなければ実無限というこれまで誰も踏み入れたことの無い世界に踏み出すことは出来なかったはずだ。しかし結果的に証明できないことに挑戦したことは悲しい。神の領域の仕事かもしれない。

「無限」に魅入られた天才数学者たち Book 「無限」に魅入られた天才数学者たち

著者:アミール・D. アクゼル
販売元:早川書房
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