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2007年6月18日 (月)

暗号解読

この本を読んだのは著者がサイモン・シンであったからである。各章の内容は分かりやすく期待を裏切らない見事な筆致で暗号作成と解読の歴史を紐解いてくれた。この本により暗号作成、解読につぃて理解することができた。

暗号作成については単純な文字の置き換え、それらを組み合わせたものがこれまでの主流であった。アメリカ開拓者時代の財宝の場所を記したビール暗号の一部は置き換えをアメリカ独立宣言を構成する文字と対応させていた。世の中にひとつしかない文書と対応づければその文書を分かっている人しか解読できないことになる。

シャンポリオンはナポレオンが持ち帰ったロゼッタストーンからエジプトの絵文字であるヒエログリフの解読成功した。しかしミケイアで発見された線文字Bはそういった手がかりが無く、ヴェントリスが自分の仮説に基づいて解読に成功したことは全く驚くべきことである。

戦争に使われた暗号で有名なドイツのエニグマの解読はチューリングが成功した。すばらしい洞察力でエニグマの機構を推測し解読に成功した。日本軍はアメリカ空軍の暗号解読には成功したがナヴァホ文字の暗号には全く手が出なかったという。これは暗号解読には言語の理解が必須であることを示していると思う。暗号解読はパズルのようなもので物事にのめりこむタイプの人達にには寝食を忘れさせる。たしかに解読した時の喜びはひとしおと思う。ビール暗号のポイントである財宝の場所の暗号は150年経過した現在も解読されていない。これまでビール暗号に挑戦した人には夢中になり過ぎて破産したひともいるという。

暗号は当事者間では簡単に復号できなければ使えない。強い暗号によるエンコード、デコードには時間が掛かる。コンピュータ時代の現在、公開鍵方式の暗号でセキュリティは守られているがこの方式を最初に考えたのはイギリスの情報機関にいたジェイムスエリスだという。暗号は国家の最高機密であり暗号部門に勤務していたがゆえに社会に認められなかった。これは、国家がしていることに関し、われわれが知りえることは限界がある一例を示している。

イングランドの女王メアリーの暗号は強度が弱く彼女は断頭台に消えた。アメリカ国家安全保障局(NSA)の任務は通信文を解読することで特定のキーワードを含むメールを探している。国家の安全保障のために暗号の強度は規制すべきかの議論がある。私としては規制は排除すべきと思う。

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで Book 暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

著者:サイモン シン
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