« ケプラー予想 | トップページ | 異端の数ゼロ »

2007年5月 7日 (月)

素数に憑かれた人たち

素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~ Book 素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~

著者:John Derbyshire,ジョン・ダービーシャー
販売元:日経BP社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

この本はリーマンの予想がどんなものであるかを豊富な数式で分かった気分にしてくれた。

ソートイの「素数の音楽」読み物としてはすばらしかったが、さすがに数式がほとんどなしでは分かった気分になれなかった。この本を読んで改めて分かったのはリーマンは素数の量(数)を示す公式を定義したのであって、予想だけをしたのではない。リーマンの予想「ゼータ関数において自明でない零点の実数部は1/2である」はリーマンの素数公式の性格を決める(Wikipediaによればリーマンの予想がただしければ素数分布が完全に解かれる)がたとえリーマンの予想が間違っていたとしても1859年の論文の核心は正しい。

その核心とは素数の数を近似ではあるが最も正確に求められること。すでに証明されている素数定理はリーマンの素数公式に比べれば緩やかな制約の下に定義されているため荒い。リーマンの公式のクリティカルラインが0と1/2であるのに対し、素数定理のそれは0と1としている。

この本はエルミート行列、行列の固有値など久しく忘れていたことも思い出させてくれた。著者のダービーシャーが言っている。複素平面上のゼータ関数は何層もの面を形成するがそれがわかるようになるためには何年もの訓練が必要であると。数学者は四六時中数学のことを考えている(というより考えられるというべきか)ため普通の人にはできないことを想像できるのだろう。それにしてもリーマンは数学に関しては大胆でナポレオンのようだ。

途中で挿入されている話も面白い。数学関係では(もちろん、数学関係が最も多い)マイナス掛けるマイナスがなぜプラスになるかの見事な説明。オイラー積とエラステネスのふるいの関係。数学以外では、ナポレオンが「史上最高の数学者がいる」という理由でガウスのいるゲッティンゲンを攻撃しなかったこと。

« ケプラー予想 | トップページ | 異端の数ゼロ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ケプラー予想 | トップページ | 異端の数ゼロ »