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2007年4月 4日 (水)

素数の音楽

この本には魅力的な人物がたくさん出てくる。いづれも最高の知性の持ち主で数学が好きな人たち。コンピュータも出てくるがその役割は低い。全編を通じて感じたのはガウスの素数に対する見通しの確かさである。素数表を見てコイン投げの要素を取り入れた素数の分布を予想する関数を作成してしまう。またそれがカオスの考えを入れた現代の素数理論に通じてしまう見事さ。ガウスもオイラーもそしてリーマンも計算の名人でありともかく数字をいじくりまわすのが大好きな人たちだ。昔予備校の先生が手を動かさないわれわれに向かって手が自然に動くまで勉強しないとだめといったがなんだか通じるところがある。膨大な計算をしているうちに深遠な真理にたどりついたのだろうか。

リーマンの予想がなんなのか。ガウスの素数関数とゼータ関数からゼロ点(これも良く分からないが)と素数の関係を予想した式であるらしい。ゼロ点が1/2の線上に分布していることを証明できればいいらしい。そのようななかでモンゴメリーが双子の素数が近接しているのだからゼロ点も近接していると考えた(しかし実際にはそうでなくまた新しい展開が開ける)のは私もそう思ったので数学者もそのような発想をすることを知って安心した。

ラマヌジャンはこの本の中で異彩を放つ人物である。過去の業績や周りの人たちがやっていることを理解するのではなく、数の本質を理解しようとする。結局最終的にリーマンの予想を証明できるのは新たな発想ができる数学者であると著者であるソートイは述べている。

新しい言葉を獲得することにより理解が深まる。また新しい視点が得られる。どうも自分みたいななまけものは今ある知識で満足してしまうが一生を棒にふるかもしれないリーマンの予想の証明に人生をかける勇気ある数学者がいるから数学、そして科学が進歩してゆくのだということは分かった。

素数の音楽 Book 素数の音楽

著者:マーカス・デュ・ソートイ
販売元:新潮社
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