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2007年1月28日 (日)

20世紀を動かした五つの大定理

ジョン・キャスティ「著」

中村和幸「訳」

講談社

この本を読んで機械は人間と同じことができるかという問いの答えを見つけることができました。「ゲーデルの結果から、形式的体系の外側に立つことによって真だが証明できない言明の存在を人間は認識できるが、その事実を機械は証明できない。さらにもし人間が機械にすぎなければ自己の無矛盾性を証明できないが、人間は自己の無矛盾性を断言できる。だから人間は機械以上である」、しかし普通の人にとっては無理な要求で、やはり並ではない知力の人しか人間といえなくなってしまうかもしれない。いづれにしろゲーデルのいう「証明できないものが存在する」というのは知力の限界を示すと共になんとなく安心感を与えてくれることであると思う。この本にはそのほかゲームの理論、シンプレックス法などの解説書となっている。

ローマ人の物語ⅩⅤローマ世界の終焉

ローマ帝国の盛衰に興味があり塩野七生氏のこのシリーズを読んできました。最後の巻になってしまいました。塩野氏は「盛者必衰、諸行無常」という誠にわれわれになじみ深い言葉でこの物語を結んでおられる。たしかにその通りであるが、あとがきにもあるように、あの大帝国が200年にもわたる平和を実現したことは驚異である。このシリーズの縦糸は皇帝の移り変わりである。皇帝たちは平和を実現するため実によく働いている。そして横糸は民衆であるがこの民衆と皇帝が適度な緊張感を持っていた時代はローマも安定していたと思う。もちろん、帝国内に街道を整備する、法律を定める、国境周辺を守るといったビジョンは皇帝でないとできないが、その原資を提供する側との意思疎通は大切なことであった。民意におもねることなく民意を反映した政治の実現が古今東西の基本であると思う。

ローマ人の物語〈15〉ローマ世界の終焉 Book ローマ人の物語〈15〉ローマ世界の終焉

著者:塩野 七生
販売元:新潮社
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